
De-Silo
AI時代を救うのは、「計算」か「共感」か?──長期主義/効果的利他主義を考える〖2020s #9〗
【採用のお知らせ】「2020s」を運営する一般社団法人デサイロで、新規メンバーを募集中です! 詳細は下記のリンクよりご覧ください。皆様のご応募お待ちしております! 人文・社会科学分野を中心とした研究者と協働し、次なる社会を形づくる思想やアイデアを生み出す「デサイロ」にて、ビジネスプロデューサー/エコシステムビルダーを募集! https://desilo.substack.com/p/recruitment-202608 ==================== ▼エピソード概要 イノベーションや「新しさ」を考えることと表裏一体の問いとして、「私たちは未来(や将来世代)に何を残していきたいのか?」というものがあります。今回議論したのは、シリコンバレーにおける思想的潮流である「効果的利他主義」と「長期主義」について。「長期主義」の提唱者である哲学者ウィリアム・マッカスキルの関心が「AGI時代の効果的利他主義」へと移行するなかで、計算と共感というキーワードからその現在地を議論してみました(岡田) 21世紀のシリコンバレーに影響を与えてきた「効果的利他主義」と「長期主義」/「長期的な未来にプラスの影響を及ぼすことが、現代の主な道徳的優先事項の一つである」という考え方/FTX経営破綻、サム・バンクマン=フリード逮捕後にムーブメントはどう変化したか/関心は、「AGI時代の効果的利他主義」へ/「柔軟性の時代」──AI時代の社会制度やガバナンス構築の必要性/「共感か計算か」「感情か理性か」という古くて新しい問い/心理学者ジョシュア・グリーンが考える、直観と感情が働くオートマモード、熟慮を要するマニュアルモード/内集団を広くすることには限界があるからこそ、合理主義的な計算が大事/普遍的な真理にコミットしていることが、気持ちを高揚させる/「計算可能性の美しさ」に心を動かされているのか、儲かるからやっているのか/サミュエル・シェフラー『死と後世』/将来世代への責任ではなく、未来が続くことへの依存/「気質的保守主義」とは何か/「共通善」と「愛着」──大切なものを残したいという保守性/未来の人々が何を大事に思うかを、いまの私たちは計算できるのか/「この景色を残したい」という感情を、制度設計にどう反映するか/真鶴町まちづくり条例、神保町の古書店、渋谷再開発から考える愛着を活かすまちづくり/「いつも原始人みたいな話をしている」/2020s発の企業向けソリューションを準備中。乞うご期待 ▼「2020s-twenty-twenties-」とは 2020年代を形づくる思想やアイデアとは何か? テックから哲学、カルチャーまでを横断し、「思想がリアルポリティクスを動かす時代」に迫っていくPodcast番組。AIや防衛産業が立ち上がる米国テクノロジー業界の世界観や価値観を検証し、その戦略に「巻き込まれざるを得ない私たち」にはどのような選択肢や可能性があるのか? 哲学者の柳澤田実と、デサイロ代表の岡田弘太郎が、時にはゲストを招きつつ率直に話し合います。 ▼出演 柳澤田実 1973年ニューヨーク生まれ。関西学院大学神学部准教授。東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)、宗教を中心に文化的背景とマインドセットについて研究している。最近の関心テーマは米国テックの右傾化、若者のキリスト教回帰と少子化の関係。 https://x.com/tami_yanagisawa 岡田弘太郎 1994年東京生まれ。人文・社会科学分野の 研究者と 協働し、 イノベーション創出や 新たなる 社会制度の 提案を 行う 一般社団法人デサイロ代表理事。最近の関心は、エディターとしては「いま最も重要なテーマを提示すること」。デサイロ代表としては「持続可能な知のエコシステムを構築すること」。個人的には「東京という都市をもっと面白くすること」。 https://x.com/ktrokd ✉️ 公式ニュースレター(無料) 番組のテキスト版や関連するオリジナル資料、ブックガイドなどを配信中。ぜひ登録してください! https://desilo.substack.com/ ▼参考文献 ウィリアム・マッカスキル(千葉敏生訳)『見えない未来を変える「いま」──〈長期主義〉倫理学のフレームワーク』みすず書房、2024年1月 ウィリアム・マッカスキル(千葉敏生訳)『〈効果的な利他主義〉宣言!──慈善活動への科学的アプローチ』みすず書房、2018年11月 『現代思想 2024年8月号 特集=長期主義──遠い未来世代のための思想』青土社、2024年7月 ピーター・シンガー(関美和訳)『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと──〈効果的な利他主義〉のすすめ』NHK出版、2015年12月 ニック・ボストロム(倉骨彰訳)『スーパーインテリジェンス──超絶AIと人類の命運』日本経済新聞出版社、2017年11月 サミュエル・シェフラー(森村進訳)『死と後世』筑摩書房、2023年6月 ジョシュア・グリーン(竹田円訳)『モラル・トライブズ──共存の道徳哲学へ(上・下)』岩波書店、2015年8月 マイケル・ルイス(小林啓倫訳)『1兆円を盗んだ男──仮想通貨帝国FTXの崩壊』日経BP 日本経済新聞出版、2024年6月 ローマン・クルツナリック(松本紹圭訳)『グッド・アンセスター──わたしたちは「よき祖先」になれるか』あすなろ書房、2021年9月 西條辰義編著『フューチャー・デザイン──七世代先を見据えた社会』勁草書房、2015年4月 ▼参考URL William MacAskill「Effective altruism in the age of AGI」EA Forum、2025年10月10日 https://forum.effectivealtruism.org/posts/R8AAG4QBZi5puvogR/effective-altruism-in-the-age-of-agi Anthropic「Exploring model welfare」2025年4月24日 https://www.anthropic.com/news/exploring-model-welfare Forethought https://www.forethought.org/ 「OpenAI、米政府に株式の5%付与を検討か FT報道」日本経済新聞、2026年7月3日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02D3O0S6A700C2000000/ Bernie Sanders「The Public Should Own Half of the Big A.I. Companies」The New York Times、2026年6月1日 https://www.nytimes.com/2026/06/01/opinion/artificial-intelligence-bernie-sanders.html 訂正:番組内で、ウィリアム・マッカスキルが所属する研究機関の名称を「Foresight」と紹介しましたが、正しくは「Forethought」です。訂正してお詫びいたします。 ▼クレジット イラスト:髙橋あゆみ ロゴデザイン:畑ユリエ 企画・制作:一般社団法人デサイロ └プロデュース:栗村智弘 └リサーチ:古島海 収録:Unknown Unknown


