
姿勢が変わると、人生が変わる。
第526回富士登山競走、5合目で終了。それでも挑戦して見えた「次の景色」
毎週金曜日に配信している 姿勢治療家Ⓡ仲野孝明「姿勢が変わると、人生が変わる。」ラジオ こんにちは。姿勢治療家(R)仲野孝明です。 この番組では、体の姿勢と生きる姿勢、より豊かに人生を生きるための姿勢力について話をさせていただいてます。 今回は、姿勢治療家(R)が考える健康の要素、6ヘルス(構造・睡眠・食・運動・精神・呼吸)の中の運動 富士登山競走、5合目で終了。それでも挑戦して見えた「次の景色」 こんにちは。姿勢治療家の仲野孝明です。 今回は、富士登山競走・山頂コースに挑戦したお話です。 結果からお伝えすると、 山頂まで到達することはできませんでした。 5合目の関門で終了。 「5合目まで?」と思われるかもしれません。 でも、この大会。実際に参加してみると、改めてものすごいレースだと感じました。 そして、完走できなかったからこそ見えた課題と、 「達成したい」という気持ちと、「健康のために無理をしない」という気持ちをどう両立するか。 そんな、自分自身の「生きる姿勢」についても考える機会になりました。 富士登山競走とは?標高差約3000mを一気に駆け上がる大会 富士登山競走の山頂コースは、富士吉田市役所付近の標高約770mからスタートし、富士山頂まで一気に登っていくレースです。 ゴールは標高約3770m。 つまり、 標高差は約3000m。 しかも制限時間は4時間30分です。 一般的な登山なら何時間もかけて登るルートを、ほぼ止まらずに駆け上がっていきます。 僕自身、これまで砂漠レースや100kmウルトラマラソン、長距離のトレイルなど、いろいろな挑戦をしてきました。 それでも今回、 「もしかすると、これが一番過酷なんじゃないか」 と思うほどでした。 山頂コースに出るだけでも、まず条件がある 実は、誰でもいきなり山頂コースに出られるわけではありません。 まず5合目コースで一定のタイムをクリアし、山頂コースへの出場資格を獲得する必要があります。 僕は以前、5合目コースを2時間20分以内で走り、山頂コースへの出場権を獲得していました。 だから今回、ようやく山頂コースへ。 ただし、山頂コースに出場する選手は、全員がその基準をクリアしてきた人たちです。 つまり、スタートラインに立っている時点で、 みんな速い。 約1700人が一斉にスタートします。 走り始めた瞬間から、その熱量が違いました。 スタートした瞬間から「暑い」 スタートは朝7時。 気温そのものは、それほど高くありません。 それなのに、走り始めるとものすごく暑い。 周囲の選手が全員、かなりのペースで上っていくからです。 スタート前は、 「山頂は寒いかな」 「何を着ていこうかな」 そんなことも考えていました。 でも始まってしまえば、それどころではありません。 短パンとノースリーブでも暑い。 そして何より、 まず5合目を通過しなければ、山頂へは行けない。 山頂のことを考える余裕はありませんでした。 最大のポイントは「馬返し」までのタイム 今回、一番大きな課題になったのが「馬返し」でした。 スタート地点から馬返しまで、およそ10km。 標高770m付近から1500m付近まで、ほぼずっと上りです。 さらに馬返し以降は登山道が狭くなります。 多くの選手が一気に登山道へ入るため、ここで渋滞が起きます。 つまり、 渋滞が始まる前に、どれだけ前へ進めるか。 これが非常に重要になります。 目安になるのが、馬返しまで約1時間5分。 今回の僕は、そこから数分遅れてしまいました。 「たった数分」 と思いますよね。 でも、この数分が非常に大きい。 ここを数分縮められなければ、その先でどうしても詰まってしまいます。 5合目通過は2時間19分51秒 今回、5合目には 2時間19分51秒 で到着しました。 数字だけを見ると、 「2時間20分を切ってるじゃないか」 となります。 実際、山頂コースの出場資格という意味では、そのタイムでも基準内です。 しかし、その先の山頂を目指すためには、さらに余裕を持って通過しなければならない。 僕の場合、 あと5分程度縮める必要がある。 わずか5分。 でも、その5分を縮めるには、今の走力そのものをもう一段階上げる必要があります。 5分を縮めるには「全部」を変える必要がある 今の僕のフルマラソンの走力を考えると、次に必要なのは単純です。 持久力を上げる スピードを上げる 坂道の練習をする 同じ心拍数で、より速く動ける体をつくる 体重を少し落とす やるべきことは見えています。 だからこそ、悩みます。 できないわけではない。 手順を組めば、可能性はある。 でもそのためには、かなり高い強度のトレーニングが必要になります。 「達成したい」と「健康でいたい」の間で ここが、今回一番考えたところです。 僕は姿勢治療家として、 一生動ける身体をつくること を大切にしています。 だから当然、健康を壊すようなトレーニングをすすめる立場ではありません。 一方で、今回のようなレースを完走するには、高い負荷をかけなければ届かない領域があります。 つまり、 健康を優先して無理をしないのか。 それとも、 見えている景色を見に行くために、もう一段階負荷を上げるのか。 これは単なるスポーツの話ではなく、 「どう生きるか」 という話にも近い気がしています。 市民ランナーの「グランドスラム」 市民ランナーの世界には、「グランドスラム」と呼ばれる一つの目標があります。 代表的なのが、 フルマラソン3時間切り 100kmウルトラマラソン10時間切り 富士登山競走・山頂コース完走 です。 どれも簡単ではありません。 僕自身、 フルマラソンは3時間19分台。 100kmは10時間台。 富士登山競走も今回、あと一段階届かない。 全部、 見えているけれど、まだ届いていない。 そんな位置にいます。 だからこそ面白い。 でも同時に、 「本当にそこまでやるのか?」 という問いもあります。 年齢とともに難しくなる「速さ」 長い距離をゆっくり進む能力と、速く走る能力は少し違います。 年齢とともに特に落ちやすいのは、スピードや高い心拍を維持する能力です。 富士登山競走は、 4時間以上、かなり高い強度で動き続ける。 そこが独特です。 100kmをゆっくり走るのとも違う。 長いトレイルを進むのとも違う。 心拍数が高い状態で、ずっと上り続ける。 本当に特殊なレースです。 富士山に通ったことで得たもの ただ、今回の挑戦は結果だけではありませんでした。 練習のため、何度も富士山へ行きました。 そして久しぶりに、息子とも富士山に登る機会がありました。 息子が初めて富士山に登ったのは、まだ5歳の頃。 当時、 「本当に登れるのかな」 と思いながら、友人家族と一緒にゆっくり登りました。 無理なら下山しよう。 そう言いながら進み、結果的に山頂まで登ることができました。 その5歳だった息子も、今では19歳。 久しぶりに一緒に登ってみると、 やはり余裕がある。 本人も、 「よく5歳で登ったな」 と言いながら、 「でも、やっぱり簡単だった」 という感覚を持っていました。 子どもの頃の成功体験は、一生の財産になる ここで改めて感じたことがあります。 5歳の時に、 「日本一高い富士山に登れた」 という経験をした。 するとその後、 「富士山は登れる山だ」 という前提で生きることができます。 飛行機や新幹線から富士山を見た時にも、 「あそこに自分は登ったことがある」 と思える。 この経験は大きいです。 成功体験というのは、 「何かを成し遂げた」 という結果以上に、 「自分はやればできる」という前提を、自分の中につくってくれる。 それは人生のいろいろな場面で、自信になります。 大人になってからも「まだ見ていない景色」を持つ 今回、僕自身は山頂コースを完走できませんでした。 だから、まだ成功体験にはなっていません。 でも、 あと数分。 もう少し力を上げれば、見えてくる景色がある。 その場所までは来ています。 だからこそ悩ましい。 やるのか。 やらないのか。 東京マラソンが一つの基準になる もし次の富士登山競走を目指すなら、まず一つの目安になるのが東京マラソンです。 フルマラソンの走力が上がれば、 ウルトラマラソン 富士登山競走 にも良い影響が出る可能性があります。 だから、まずは走力そのものを底上げする。 東京マラソンでどのくらいまで戻せるのか。 その結果を見ながら、 「次の富士山をどうするか」 を考えていくのも一つの方法だと思っています。 挑戦することと、健康でいること

